THE 100 GREATEST TATTOOISTS IN THE WORLD 2019 |#91〜#100|SELECTOR 〔Shinshu MANABU〕
⽇本のタトゥーイスト10⼈が選ぶ、注目すべき世界のタトゥーイスト100。ラストを飾る第10回目のセレクターは、フリーハンドで勢いのあるネオジャパニーズを創作する信州まなぶさんです。
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ブレのない美しいライン、しなやかなカラー、繊細なドット、適切な大きさや配置。タトゥーの善し悪しというは、絵柄そのものよりもモチーフの魅力を最大限に引き立てるタトゥーイングのテクニックによって大きく左右される。いまや凄腕のタトゥーイストは世界中でひしめきあい、SNSでは最新トレンドが日々更新され目が眩むほどの情報量だ。そこで選りすぐりの日本のタトゥーイストたちに、各自の審美眼に基づいた今リスペクトされるべきタトゥーイストを100人セレクトしてもらった。レジェンドから注目株まで、珠玉の100選をとくとご覧あれ。(監修:川崎美穂)
Selector10
信州まなぶ
Photo by cherry chill will
⽇本のタトゥーイスト10⼈が選ぶ、注目すべき世界のタトゥーイスト100。ラストを飾る第10回目のセレクターは、フリーハンドで勢いのあるネオジャパニーズを創作する信州まなぶさんです。世界各国のタトゥーイストたちがジャパニーズスタイルのどの辺りに魅力を感じ、どのようにエキサイティングなチャレンジをしているのかがよくわかる、とても興味深いセレクトです。
SEVENTY LIGHT FACT TATTOO http://70lightfact.lolipop.jp/
Instagram https://www.instagram.com/70lf/
Genre Japanese Style
91. Ryan “Maverick” Reeve(Australia)
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大胆な構図と色彩感覚がただただ好みです!(MANABU)
Ryan “Maverick” Reeve / Australia
オーストラリアで5番目に大きな都市・アデレード出身のタトゥーイスト兼アーティスト。手描きのレタリング技術やロゴなどのグラフィックデザインの経験をもつことから、オーダーはレタリングかジャパニーズスタイル、またはその組み合わせが大半だが、実力はオールラウンダー。なかでもジャパニーズスタイルは、主題の背景に額を描かずに化粧彫り(副題)で囲んだり、モチーフをそのまま見切りに仕立てるなど斬新なアイデアで異彩を放つ。
[Progression Tattoo]
http://www.progressiontattoo.com.au/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/maverickreevetattoo/)
92. Calle Corson(Sweden)
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インパクトのある構図が好きです!(MANABU)
Calle Corson / Sweden
1976年生まれ、スウェーデンのストックホルムにて現代的なアレンジを加えたネオジャパニーズスタイルを手がけるタトゥーイスト。伝統的な日本刺青では定番の墨の濃淡で表現する〝額(がく)彫り〟を極力描かず、身体いっぱいに大胆に配置された写実的な主題で視覚的なインパクトを構成している。また、どっしりと重い黒を多用せず、ソフトで滑らかなカラーを使用しているのも特徴。遠目からみると迫力があり、近くで見ると丁寧で細やかな仕事をしているのも見事。
[Calle Corson]
https://www.instagram.com/callecorson/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/callecorson/)
93. Joao Bosco(UK/USA)
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とにかく好き!昔から大ファンです!(MANABU)
Joao Bosco / UK、USA
ブラジル生まれ、ロンドンに移住。スイスのフィリップ・ルーに背中と腕を手がけてもらいながら、憧れのタトゥーマスターにタトゥーを入れてもらうことが何よりの学びであると知る。作風は蛇や菊などの日本的なモチーフを黒一色でダークファンタジーに仕上げることを得意とし、カラーを使用しない分、ラインやドットなど多彩なテクニックを駆使している。また、身体の流れに沿った図柄の配置を構築するためフリーハンドなのも特徴である。現在はロンドンとLAを行き来しながらタトゥーイングライフを送っている。
[Joao Bosco]
https://www.instagram.com/sacredgoldtattoo/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/sacredgoldtattoo/)
94. Jinse(South Korea)
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絵がカッコいい!(MANABU)
Jinse / South Korea
ソウルを拠点にする若きタトゥーイスト。ジャパニーズモチーフやバジュラなどオリエンタルなデザインをニュースクールな渋いカラーリングで仕上げる。チベット密教美術のようなビビッドな配色も印象的。
[Jinse]
https://www.instagram.com/nwotattoo_jinse/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/nwotattoo_jinse/)
95. YUSHI(USA)
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独特なジャパニーズスタイルが好き!(MANABU)
YUSHI / USA
韓国出身、1999年よりソウルでタトゥーイストのキャリアをスタート。日本の『龍門文身』獅龍氏に師事し、伝統刺青を学ぶ。韓国国内でも実力派として巷の評判は高かったものの当時の韓国シーンは今よりも取り締まりが厳しかったため、安息の地を求めロサンゼルスに移住。逆境に立ち向かいながらも、躍動感溢れる題材から優美な題材まで、洗練された独自のスタイルを確立していく。2016年よりカリフォルニア州サンディエゴの『Guru Tattoo』に所属。鮮やかな配色と丁寧なカラーグラデーションの美しさは秀逸。
[Guru Tattoo]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/yushitattoo/)
96. Ian Hilz(Australia)
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オーソドックスな絵ではあるが何か新しい感じが好きです!(MANABU)
Ian Hilz / Australia
21歳から西シドニーの賑やかなストリートショップでプロとして働きはじめる。速いペースで次々と注文をこなすウォークインスタイルはスキルアップを促すには最適な環境だった。技術が上達していくにつれ日本の伝統刺青に興味を惹かれるようになり、時代を通して変わらないスタイルの不変的な魅力に目覚める。現代的な表現をミックスしたニュースクールやネオジャパニーズの流行にのるのではなく、浮世絵などを参考にする昭和の古典的なスタイルにこだわり、そこはかとなく90’sJAPANな雰囲気を醸し出してる。
[The Tattoo Movement]
https://thetattoomovement.com/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/ian_hilz_art/)
97. Junior Goussain(Brazil)
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僕自身が新しいアイデアが湧いてくるような作品です!(MANABU)
Junior Goussain / Brazil
1996年よりタトゥーイストのキャリアをスタートし、長年の経験で培ったオールラウンダーの実力をもつ。2009年より兄のNeto Goussainと共にサンパウロに『Tattoo Point SP』を設立。各国でのコンベンションに参加し、コラボレーションなども積極的に行いながら常にアイデアのアンテナを張り、アーティスティックなジャパニーズスタイルの表現を追求している。身体の動きや筋肉の流れを意識した構図がうまく、タトゥー特有のアイデアや遊び心を取り入れている。
[Tattoo Point SP]
https://www.facebook.com/Tattoo-Point-SP-116216191745142/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/juniorgoussain/)
98. Rodrigo Souto(UK)
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少ないラインとカラーで魅せる牡丹がとにかく好き!
この表現力は真似したい!(MANABU)
Rodrigo Souto / UK
1982年、ブラジルのサンパウロ生まれ。地元のタトゥースタジオで働きながら大学で美術を学び、美術教育の学位を取る。大学を卒業して半年後、自分の可能性を広げるためロンドンに移住。約1年かけて英語を学び、再びタトゥーマシンを手に入れる。2011年、親友のCesar MesquitaとTutti Serraと共に『Black Garden Tattoo』を共同設立。ジャパニーズスタイルを手がけるなかで蓮や桜などの花もたくさん描いたが、シンプルな牡丹の魅力を発見する。それは額の見切りを細かく描かずに、身体に合わせた花の配置、陰影とグラデーションの巧みな組み合わせを駆使することにより、肌に絵が浮き上って見えるという江戸時代の様式に近いスタイルであった。いまやセセクシーで品のある牡丹のエキスパート的な存在として人気を博している。
[Black Garden Tattoo]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/rodrigosoutobueno/)
99. Jacob J Gardner(Australia)
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ジャンルは違えどジャパニーズに取り込みたいと密かに思います(笑)!(MANABU)
Jacob J Gardner / Australia
オーストラリアのニューサウスウェールズ州出身。現在はゴールドコーストに暮らし、友人のタトゥーイスト2人と共有する『House of Solace』というプライベートスタジオで活動中。キャリアの早い段階で写実的な絵やタトゥーを手がけるようになり、ヨーロッパのタトゥーイストから多大な影響を受けることによりネオトラディショナルタトゥーへの道が拓けていった。クラシックな雰囲気を醸し出すために、過剰なことはせず、どの程度までディテールを残すか、ラインの太さの調整などを含め、肌の質や身体の部位に合わせてタトゥーイングするよう努めている。
[House of Solace]
https://www.facebook.com/houseofsolacetattoo
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/jacobjgardner/)
100. Claudia De Sabe(UK)
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すごく好みです!(MANABU)
Claudia De Sabe / UK
1980年イタリア生まれ、ヴェネツィア大学卒業。2006年ロンドンに移住し、実力派の揃う数々の素晴らしいスタジオで働いたのち、2019年にYUTARO(a.k.a Warriorism)とTEIDEと共に『RED POINT TATTOO』を設立。日本刺青とアメリカのトラディショナルタトゥーをハイブリッドした、洗練されたフェミニンなスタイルで広く知られている。肌に限らずプリントや茶碗などオリジナルのアート作品のほか、2017年に出版したアートブック『秋の庭園図』など、美しくクリエイティブな作品も制作している。ちなみに名前の〝Sabe〟は、イタリアでタギングをしていたときのグラフィティのサインであり、そのままタトゥーイストの名義として使用している。そんなビタースウィートなところも彼女の魅力である。
[RED POINT TATTOO]
https://www.redpointtattoo.com/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/claudiadesabe/)
監修
川崎美穂 かわさき・みほ/1973年、青森県弘前市⽣まれ。1996年より『BURST』の編集に携わり、1999年本邦初のタトゥー専門情報誌『TATTOO BURST』を創刊。雑誌が休刊する2012年までのあいだ編集長を務める。現在はタトゥーのある人でも利用可能な日本の温泉施設などを紹介するウェブサイト『Tattoo Friendly』を運営。タトゥーにまつわることをライフワークとし各メディアに執筆なども行なっている。
Tattoo Friendly : https://tattoo-friendly.jp/ja/
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