THE 100 GREATEST TATTOOISTS IN THE WORLD 2019 |#01〜#10|SELECTOR 〔Betty〕
⽇本のタトゥーイスト10⼈が選ぶ、注目すべき世界のタトゥーイスト100。第1回目のセレクターはオールラウンドにスキルフルなベティちゃんです。
ブレのない美しいライン、しなやかなカラー、繊細なドット、適切な大きさや配置。タトゥーの善し悪しというは、絵柄そのものよりもモチーフの魅力を最大限に引き立てるタトゥーイングのテクニックによって大きく左右される。いまや凄腕のタトゥーイストは世界中でひしめきあい、SNSでは最新トレンドが日々更新され目が眩むほどの情報量だ。そこで選りすぐりの日本のタトゥーイストたちに、各自の審美眼に基づいた今リスペクトされるべきタトゥーイストを100人セレクトしてもらった。レジェンドから注目株まで、珠玉の100選をとくとご覧あれ。(監修:川崎美穂)
Selector01
Betty
⽇本のタトゥーイスト10⼈が選ぶ、注目すべき世界のタトゥーイスト100。第1回目のセレクターはオールラウンドにスキルフルなベティちゃんです。彼女は日本の伝統刺青師のもとで修業をしたのち独立をした、地に足のついたキャリアを積んでいる稀有なタトゥーイスト。トレンドに敏感な女性クライアントからの信頼も厚い実力派です。(川崎)
Studio La Ruche https://laruche.jp/
Instagram https://www.instagram.com/tattoo_laruche/
Genre オールラウンド
01. Manbo(Italy)
ポスターのようなデザインが素敵(Betty)
Manbo / Italy
1990年生まれ。ミラノの美術学校に通い、ロゴやアイコンなどの世界観に興味をもつ。グラフィックデザイナーとして働いたのち、2010年からタトゥーイングをスタート。2016年、線とカラーを解体したうえで一体感を出すオリジナルの作風〝destrutturato style〟を確立。太く黒い線に、大胆なカラーの配置、どちらも極限までシンプルにすることで相互効果を発揮し、モチーフに躍動感を与え、物語の奥行きを生み出している。センスとテクニックが光る若きオリジネーター。
[Manbo tattooship]
https://www.mambotattooer.it/en/mambo-tattooer/
(画像引⽤元:https://www.instagram.com/mambotattooer/)
02. Dzo lama(Poland)
カラーのトーンがシックで素敵。
黒とカラーのバランスがアンティーク作品の様で好き。
生物への愛情が伝わる(Betty)
Dzo lama/ Poland
美術学校を卒業し、タトゥーパーラーに3年勤務したのち自身のスタジオを設立。自分の身体や魂の美しさを表現できる創造的な空間をコンセプトとし、160㎡の広々としたクリエイティブスペースの半分をタトゥースタジオに、もう半分ではヨガやワークショップ、講演などを開催。自然と動植物、そして旅をこよなく愛し、1点のタトゥーが織成す物語は、まるで1冊の絵本を読み終えたような充足感を与え、幸せな幻想世界へと導いてくれる。
[Nasza tattoo shop]
(画像引⽤元:https://www.instagram.com/dzo_lama/)
03. Duda Lozano(Brazil)
ワッペンスタイルカッコイイ!
緻密な作業と再現度素敵すぎ(Betty)
Duda Lozano / Brazil
2002年からサンパウロでキャリアをスタートし、オールラウンドに対応しながらリアリスティックタトゥーのスキルを磨く。過去に帽子やシャツに刺繍のロゴを入れる仕事をしていた経験から、2019年新境地である刺繍スタイルのタトゥーを見出すと、瞬く間に世界中にその名が知れ渡る。光と影を自在に操り、視覚に不思議な感覚を与える独自のアートを確立することに成功し、いまや世界各地から声のかかる人気のタトゥーイストとなった。
[Duda Lozano]
https://www.facebook.com/duda.lozano
(画像引⽤元:https://www.instagram.com/dudalozanotattoo/)
04. KIERA(Australia)
ニャンコラブ素敵(Betty)
KIERA / Australia
柔らかなタッチで描かれるユーモラスな猫が人気。大学ではプロダクトデザインを専攻し、卒業後は美術教師やインダストリアルデザイナーとして働いていた経歴をもつタトゥーイスト。メルボルンでタトゥーのキャリアをスタートした後、韓国でスキルを磨く。カワイイ猫たちを彩るアジアチックな表現には繊細なタトゥー技術が散りばめられ、単なるカワイイだけにはとどまらない確固たる実力を発揮している。
[KIERA]
https://www.instagram.com/kiera_tattoo/
(画像引⽤元:https://www.instagram.com/kiera_tattoo/)
05. Adrianar(Scotland)
赤の使い方が素敵!
赤のマジシャンみたい(Betty)
Adorianar / Scotland
凄腕彫師が在籍するスコットランドの『Watermelon Tattoo』に所属。スペイン出身の彼女は、プロのタトゥーイストになるという夢を叶えるためにスコットランドに移住。ビンテージなカラータッチが印象的な鮮やかな色、なめらかなグラデーション、力強くも美しい曲線を描くライン、アールヌーボーの影響をうかがわせるエレガントな作風は、若手ながらしっかりとした存在感を示している。
[Wartermelon Tattoo]
https://watermelon.tattoo/artists/adriana/
(画像引⽤元:https://www.instagram.com/adrianartattoo/)
06. Vincent Zettera(Italy)
グラデーションの作り込みが美しい。
肌とイラストとの造形のグラデーションの工夫も素敵!(Betty)
Vincant Zettera / Italy
地元のアートスクールを卒業後、28歳でファーストタトゥーを入れたことからタトゥーのもつ奥深い魅力と芸術的な要素に開眼。まずは見習いとして働き、熟練したタトゥーアーティストの技術を眺めながら、周囲の仲間と表現力、技術力、人間性などを切磋琢磨し、2012年に自身のスタジオを開設。1つのタトゥーに異なるアート的要素を加え、オリジナルの世界観を確立している。
[Vincent Zettera]
https://www.facebook.com/vincent.zattera
(画像引⽤元:https://www.instagram.com/vincent_bloodline/)
07. Marco Pepe(Italy)
ハイクオリティーなウォータカラー。
筆致がイキイキしていて素敵!(Betty)
Marco Pepe / Italy
ナポリ生まれ。タトゥーイストとしてのキャリアをオンザロードスタイルで磨く。パリ、ミュンヘン、ロンドン、ミラノ、ナッシュビルをはじめとするアメリカのいくつかの都市に住み、異なるタトゥー文化のなかから新たなインスピレーションを得る。現在はナポリの一等地にスタジオを構え、唯一無二の作品を創りを行なっている。絵と写真の組み合わせ、水彩や水墨の流動などを活かし、ハードコントラストな独自の手法を開発。クライアントの筋肉や体の動きに合わせた躍動的でパーソナルなデザインは、多くの人に感動を与えている。
[Encre Tattoo]
(画像引⽤元:https://www.instagram.com/marcoencre/)
08. Kevin Ray(USA)
切り取った世界観が素敵!シルエットの作り込みも素敵!(Betty)
Kevin Ray / USA
ノースカロライナ州のギブソンビルにプライベートスタジオを構え、旅やアウトドアをこよなく愛するタトゥーイスト。アメリカントラデショナルタトゥーの伝統的な技法や構図をベースに現代的なアプローチを加え、美しい自然の風景を封じ込めたオリジナルのデザインが人気。限られたスペースに描かれた小さな世界は、まるで太古からの記憶から宇宙の神秘、旅の郷愁や思い出までもぎゅっと凝縮されたような世界。温かみのあるカラーリングも定評。
[KEVIN RAY TATTOOS]
https://www.kevinraytattoos.com/
(画像引⽤元:https://www.instagram.com/kevinraytattoos/)
09. David Corden(Scotland)
クリアなカラーリングで無駄のない美しいポートレイトが素敵(Betty)
Devid Corden / Scotland
イングランドの南東部にあるケント州出身。美術大学に進学するも、換気装置のエンジニアとして就職し15年以上のキャリアを積む。30歳になるまでタトゥーに興味がなかったものの、絵の才能を買われて2007年からタトゥーのキャリアをスタート。ポートレートやピンナップ、野生動物などリアリスティックタトゥーを専門にしている。2015年、スコットランドの首都エディンバラに自身のスタジオを開設。街並み同様、ラグジュアリーでエレガントな内装のスタジオです。
[Semper Tattoo]
(画像引⽤元:https://www.instagram.com/davidcorden/)
10. Nemo(Italy)
可愛い。とにかく可愛い(Betty)
Nemo / Italy
イタリアのフィレンツェに拠点を置き、しばしばオンザロードの旅に出る個性派。日本のアニメやマンガ、ゲームなどのオタク文化に精通し、作品にはキュートな日本語が添えられることもあり。独特のパステルカラーと黒く太いラインが特徴的で、ツボを熟知したマニア受けするユーモアセンスと、微笑ましい可愛らしさを兼ね揃えている。
[Nemo]
https://www.instagram.com/blvknm/
(画像引⽤元:https://www.instagram.com/blvknm/)
監修
川崎美穂 かわさき・みほ/1973年、青森県弘前市⽣まれ。1996年より『BURST』の編集に携わり、1999年本邦初のタトゥー専門情報誌『TATTOO BURST』を創刊。雑誌が休刊する2012年までのあいだ編集長を務める。現在はタトゥーのある人でも利用可能な日本の温泉施設などを紹介するウェブサイト『Tattoo Friendly』を運営。タトゥーにまつわることをライフワークとし各メディアに執筆なども行なっている。
Tattoo Friendly : https://tattoo-friendly.jp/ja/
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