THE 100 GREATEST TATTOOISTS IN THE WORLD 2019 |#81〜#90|SELECTOR 〔EN〕
⽇本のタトゥーイスト10⼈が選ぶ、注目すべき世界のタトゥーイスト100。第9回目のセレクターはCOOLからPOPまで不可能なものを可能にしてくれる開拓者ENさんです。
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ブレのない美しいライン、しなやかなカラー、繊細なドット、適切な大きさや配置。タトゥーの善し悪しというは、絵柄そのものよりもモチーフの魅力を最大限に引き立てるタトゥーイングのテクニックによって大きく左右される。いまや凄腕のタトゥーイストは世界中でひしめきあい、SNSでは最新トレンドが日々更新され目が眩むほどの情報量だ。そこで選りすぐりの日本のタトゥーイストたちに、各自の審美眼に基づいた今リスペクトされるべきタトゥーイストを100人セレクトしてもらった。レジェンドから注目株まで、珠玉の100選をとくとご覧あれ。(監修:川崎美穂)
Selector09
EN
⽇本のタトゥーイスト10⼈が選ぶ、注目すべき世界のタトゥーイスト100。第9回目のセレクターはCOOLからPOPまで不可能なものを可能にしてくれる開拓者ENさんです。あらゆるジャンルに精通した通好みなセレクトで成熟したタトゥーカルチャーの奥深さを案内してくれています!(川崎)
DETROIT DIESEL TATTOO WORKS http://detroitdiesel-tattooworks.com/
Instagram https://www.instagram.com/en_ddtw/
Genre ネオトラディショナル、アメリカントラディショナル
81. Erectric Pick(Germany)
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独自の世界観があってキャラクターがとてもかわいくて大好きです
とにかく物や身体の動かし方、デフォルメ感が素晴らしい(EN)
Electric Pick / Germany
1978年パリ生まれ、カナダのモントリオール育ち。コミックアートやマンガを描きながらコミックショップを経営し、お小遣い稼ぎに自作のフラッシュシートを買い取ってもらおうとタトゥーショップを訪問。そこでオーナーから見習いとしてスカウトされる。いざ働いてみると地元でもっとも忙しいストリートショップだった為、早々にタトゥーのオーダーをこなす多忙な日々が始まる。約1年間働き続けた結果、既存のタトゥースタイルに左右されることのないオリジナリティーとスピーディーに仕上げる能力が磨かれ、以降は旅をしながら絵を描いてタトゥーイングをするオンザロードスタイルを選択。現在はベルリンを拠点にコミックやアートブックの制作に多くの時間を割き、しばらくのあいだタトゥープロジェクトから離れることがアナウンスされている。それに伴い、ベルリンからも近日引越しを予定しており、また新たな彼の人生の旅が始まろうとしている。
[Electric Pick]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/ephk/)
82. Sajin(South Korea)
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シンプルなトラッドカラーでまとめたニュースクールの統一感が秀逸
いい意味での90年代感を感じるポップなニュースクールが好きです(EN)
Sajin / South Korea
黒、赤、黄色をメインカラーにし、どんなモチーフを描いても彼の作品だと一目でわかる巧みなセンスが秀逸。なかでも瞳と花に宿る比類ない個性はズバ抜けた天才ぶり。ソウルでプライベートスタジオ『Hybrid INK』を営み、また『Hybrid INK』は彼が率いる9人のメンバーで構成される国際的なタトゥーアーティストクルーの名称でもある。2016年にはHybrid INK × NEW ERA KOREAのコラボレーションプロジェクトが始動し、日本の浮世絵スタイルでアメリカのメジャーリーグ3チームをデザインしたド派手なスカジャンとキャップをリリース。韓国のサブカルチャー社会に希望の光を与えた。
[Hybrid INK]
https://www.instagram.com/hybridink_seoul/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/sajintattoo/)
83. Marina Inoue(USA)
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こういうのがちょうどいい!という感じ
女性の感覚でこの土臭いトラッドを彫っているところが大好きです(EN)
Marina Inoue / USA
写真家の母とグラフィックデザイナーの父(日本人)のもとニューヨークで生まれ育つ。10代の頃にニューヨークパンク/ハードコアシーンに触発され、タトゥーはクールなものだと確信。18歳になるとブルックリンのFlyrite Tattooでアシスタントおよびマネージャーとして働き始め、21歳から見習いになる。スキルを磨き、アメリカントラディショナルを得意とするプロの地位を獲得。シンプルな黒い線、大胆な原色のカラーに加え、ウィップシェーディングでヴィンテージのような味わいを醸し出した作品は、多く人たちから支持を集める。努力が実った一方、生まれたときから暮らしているニューヨークの喧騒に疲れるようになり、友人の勧めでバージニア州リッチモンドに移住して現地のスタジオに勤務。アウトドアや一人旅を満喫するなかでロッククライミングに出会い、その魅力に目覚める。2014年からはクライミングに本腰を入れられるゲストワークを中心にしたオンザロードスタイルに切り替え、クライマーでありタトゥーイストという異色の肩書きで活躍中。
[Marina Inoue]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/marina_inoue/)
84. Heath Nock(Australia)
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新しいアイディアを次々と入れてくるのに安定感がすごい
かわいらしくなりすぎず、毒っけがあってツボです(EN)
Heath Nock / Australia
シドニーを拠点に世界で活躍するセレブタトゥーイスト。アメリカの漫画とポップアートのクレイジーなマッシュアップ作品が定評。妻のLauren Winzerは、マイリー・サイラス、ジョー・ジョナス、ポスト・マローン、ソフィー・ターナーなどの著名人を顧客にもち〝Queen of Ink〟とも称される人気のタトゥーイスト。絵を描いていた彼女のセンスと才能を評価し、に2011年頃タトゥーイングを教え、今ではクリエイティブなタトゥーイスト夫婦として広く知られている。プライベートではアイスホッケーの熱狂的ファンであり、地元のチームで選手として活躍するかたわら、アイスホッケーのストリートウェアレーベルまで立ち上げた。一見華やかな経歴ではあるが、13歳でタトゥーイストになることを決意し、10代でファーストタトゥーを入れ、19歳からプロとしてのキャリアを着実に積んできた努力家である。
[HIBERNIA TATTOO STUDIO]
https://www.hiberniatattoo.com/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/heathnock/)
85. Christopher Conn Askew(USA)
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タトゥーも勿論かっこいいんですがアートワークがとにかくやばい
タトゥーの表現とはまた違った紙という媒体の中で表現する
彼の世界観や構図取りのカッコよさにしびれます(EN)
Christopher Conn Askew / USA
1970年ハリウッド生まれ。俳優である父と歌手である母のおかげで本と音楽に囲まれた幼少期を過ごす。Ed Hardyが発行したタトゥー雑誌『TATTOO TIME』の3号目Music&Sea Tattoos特集を目にしたとき、タトゥーに対する見方ががらりと変わり、自分の追求するべきことを発見する。1989年サンフランシスコに引っ越してHenry Goldfieldの見習いからキャリアをスタートし、翌年からプロとして始動。16年間のキャリアのなかでタトゥー界で尊敬されるタトゥーマスターの一人となったが、2006年アート制作に集中するためタトゥーの世界を離れる。6年の月日を経た2012年、再びタトゥーワークをスタートすると、タトゥー業界だけでなく美術界の新アイコンとして知られる存在に。現在はLAを拠点とする画家兼ジュエリーメーカーでありタトゥーイストとして精力的に活躍中。
[Christopher Conn Askew]
https://www.instagram.com/sekretcity/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/sekretcity/)
86. James Tex(Canada)
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身体のラインをしっかりと生かした構図取りが素晴らしく
とにかく画力がとんでもなく高いです
一つの作品にしっかりと奥行きやストーリー性を感じられる程に
情報量が多いのにごちゃつかない感じはさすがだなーと思います
息子さんも同様のスタイルのアーティストさんで
既にかなり完成度が高く恐ろしい親子だなと思ってます笑(EN)
James Tex / Canada
カナダのカルガリーにある『Deadly Tattoos』のオーナータトゥーイストであり、カルガリーのシーンを代表するアイコン的存在。20年以上のキャリアで磨かれたオールラウンダーの腕は、クライアントのみならず世界中のタトゥーイストたちからの尊敬を集めている。スタジオから優秀なタトゥーイストを多数排出し、現在は息子であるAnthony Texがスタジオの第一線で活躍中。ジャンルにとらわれずテクニックが多彩で1つの作品に数パターンのラインを駆使するため、完成したタトゥーの写真はもちもん制作途中の状態も興味深く見飽きることがない。
[Deadly Tattoos]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/jamestex/)
87. Chris Primm(USA)
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ネオトラディショナルのスカルってデフォルメの加減がとても難しくて
個性やオリジナリティといった癖のようなものを出していくのが
とても難しいアイコンだと思うんですが、彼のスカルは
これぞPrimmのスカル!って感じがして凄くかっこいいです(EN)
Chris Primm / USA
1985年生まれ、カリフォルニア州サンディエゴに拠点を置き美しくエレガントなネオトラディショナルスタイルが定評。アメリカでも知名度の高いアート系専門学校であった『The Art Institute of California – San Diego』を卒業し、2007年からキャリアをスタートする。さまざまなジャンルのオーダーをこなしていくなかで、より滑らかでシンプルな独自のオリジナリティを確立。ほどよいシェーディング、リアルになりすぎないグラデーション、絶妙な色の組み合わせ、各テクニックを操ることでどんなモチーフでも彼らしさを醸し出した作品に仕上げる。
[The Grand Reaper]
https://www.instagram.com/the.grand.reaper/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/primm_/)
88. Aimee Cornwell(UK)
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もはやスタイルは何と呼べばいいのかわかりません 笑
自然を感じすぎます(EN)
Aimee Cornwell / UK
油絵と水彩画によるファインアートのアーティストであり、実力を兼ね備えた二世タトゥーイストとして注目を集める、イギリスタトゥーシーンの次世代を代表するアイコン的な存在。ロンドンの北に位置するエンフィールドに生まれ、父はタトゥーイストのMark Cornwell。子供の頃からフラッシュシートを描くなど父からの影響を強く受けて育ち、オックスフォードシャー州にあるスタジオでプロタトゥーイストとしてキャリアをスタート。その後いくつかのスタジオで働き、フリーハンドで製作する写実的なニュースクールを学ぶ。タトゥーを通して彼女自身の芸術表現が磨かれ、芸術活動を通して神秘的な表現のタトゥーテクニックが向上し、オリジナルのスタイルが完成していく。2015年にはオックスフォードに自身のプライベートスタジオを設立。アール・ヌーヴォー、ルネッサンス、ラファエル前派などの要素を取り入れて進化し、現在は形式にとらわれない自由な幻想によって作り上げられた独自のファンタジアを表現している。アート、タトゥーともに今後ますますの活躍が期待されている。
[SŌMA TATTOO STUDIO]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/aimeecornwelltattoo/)
89. Seth Wood(USA)
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既に時代を感じるようになってきた90年代や2000年代前半の
ネオトラディショナルというかニュースクールというかそういったテイストで
僕はこの辺りの作風を見て育ってきたのでいまだにドンピシャで変わらず好きです
90年代位のバイクや車が既に旧車と呼ばれつつあるように
この手のスタイルもまたビンテージ感が出てきて
より格好良く感じるようになってきましたね(EN)
Seth Wood / USA
1998年からタトゥーのキャリアをスタート。現在はカリフォルニア州オークランドのFreddy Corbin率いる『Temple Tattoo』に所属。以前はニューヨークを拠点とし、Brad Finkの『DARE DEVIL TATTOO』やScott Campbellの『SAVED TATTOO』など名だたる一流店で働き、各国のコンベンションや人気店でのゲストワークをする実力派。フィラデルフィアに近いニュージャージー州で生まれ育ち、絵が得意だったことから友達にタトゥーを入れて欲しいと頼まれたことを発端にタトゥーに興味をもつ。大学在学中に地元にある観光客相手のストリートショップで少し働くも、卒業後は地元の名人Mike Siderioに雇われ多様なことを教わりながら約3年勤める。しっかりとした基礎的知識、揺るぎのない情熱で大胆なタトゥーを手がける信頼のナイスガイ。
[Temple Tattoo]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/sethwoodtattoo/)
90. Andres Inkman(Spain)
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ここ数年で一番の衝撃を受けたアーティストです
トラディショナルとリアリズムをすごく丁度よく組み合わせた感じですね
要はヴィクトリアンスタイルのアートワークがアメリカントラディショナルの元ネタとなっているものが多いと思うのですが
当時の技術でそれをTATTOOに置き換えていく過程でデフォルメが進んでいったものを敢えてそのままのスタイルでタトゥーにしているという感じだと思います
説明が難しいんですが、すごく最新のスキルで
新しく古いことをやっていてとても刺激を受けました(EN)
Andres Inkman / Spain
バルセロナ生まれ、10代からタトゥーイストとして活動。スタート当時はタトゥースタジオで働くのは容易ではなく、とにかく絵を描きまくって見習いの仕事にありつく。流行のスタイルを追いながら着実にタトゥースキルとドローイングの技術を磨き、あらゆるジャンルをそつなくこなすオールラウンダーへと急成長。いくつかのスタジオを経て、現在はバルセロナの中心地であるサグラダファミリアの隣にある、15名の優れたタトゥーイストが在籍する『Black Ship BCN』に所属。美しくエレガントなことをモットーにセピア色のトーンがノスタルジックな気持ちを刺激する、古典からインスピレーションを受けたオリジナルのスタイルを確立。2018年スペインのタトゥー年鑑のカバーデザインにペインティング作品が採用されたことを契機に、2020年のロンドンタトゥーコンベンションの公式ポスターに抜擢。いまもっとも世界から熱い視線が注がれるタトゥーイストである。
[Black Ship BCN]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/andresinkman/)
監修
川崎美穂 かわさき・みほ/1973年、青森県弘前市⽣まれ。1996年より『BURST』の編集に携わり、1999年本邦初のタトゥー専門情報誌『TATTOO BURST』を創刊。雑誌が休刊する2012年までのあいだ編集長を務める。現在はタトゥーのある人でも利用可能な日本の温泉施設などを紹介するウェブサイト『Tattoo Friendly』を運営。タトゥーにまつわることをライフワークとし各メディアに執筆なども行なっている。
Tattoo Friendly : https://tattoo-friendly.jp/ja/
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