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タトゥー文化の復興は、先住民族を分断、支配、一掃しようとしていた植民地支配から、身体を取り戻す手段──タトゥー人類学者ラース・クルタクが語る

ディスカバリーチャンネルの人気番組「Tattoo Hunter」のレポーターとしても知られるタトゥー人類学者ラース・クルタクに、現代においてトライバルタトゥーの記録を収集すること、そして現代にトライバルタトゥーを復興させることの意義について、話を訊いた。


 

 

米国出身のタトゥー人類学者ラース・クルタクをご存知だろうか。英語圏ではディスカバリーチャンネルの人気番組「Tattoo Hunter」のレポーターとしても知られるラースは、1990年代より、世界各地の先住民族たちの居住エリアを旅しながら、その地とその地の人々に受け継がれてきた伝統的なタトゥー(あるいは様々な身体改造)と、その背景にある宇宙観についての調査を行なってきた文化人類学者である。

彼の実践的なレポート(ラースは人類学者でありながら、旅先で行われている伝統的な身体改造を可能な限り自らも行うというスタイルをとっている)は唯一無比だ。日本語にこそ未翻訳ではあるが、上述した「Tattoo Hunter」などの映像メディアでのレポートの他、これまでに数多くのタトゥーに関する著作をもち、それらラースの研究成果は、現代トライバルタトゥーシーンの発展を大いに支えていることは言わずもがな、世界中の先住民族たちの「知性」に関する多くの知見をもたらしている。

なんでも近年、ラースは日本のトライバルタトゥー(琉球、アイヌ)についての調査も熱心に行なっており、早ければ今年(2020年)、その成果を発表する予定だという。今回は、そんなタトゥー人類学者ラース・クルタクに、現代においてトライバルタトゥーの記録を収集すること、そして現代にトライバルタトゥーを復興させることの意義について、話を訊いた。

 

取材・文・翻訳_辻陽介

取材協力_大島托

写真提供_ラース・クルタク

 


 

 

フィリピン・カリンガ州バスカラン村のタトゥーマスターであるワン・オドゥ(左)とラース・クルタク(右):©️ Lars Krutak 2016

 

 

部族たちのタトゥーとは彼らの人間性の印

HZ 今日はインタビューに応じて頂きありがとうございます。まず、ラースさんについて教えてください。ラースさんがなぜタトゥーに関心を持つことになったのか。人類学者として、これまでタトゥーに関してどのような調査を行なってきたのか――についてです。

 

Lars Krutak(以下、Lars) 私はもともと美術史と人類学を学んでいたのですが、タトゥーの研究を始めたのは修士号取得の時でした。当時、私はアラスカに住んでいたのですが、そこで顔にタトゥーの入ったある先住民に出会ったんです。それまで北極地域の伝統について何も知らなかった私は、それをきっかけに彼らの文化、タトゥーに興味を持つようになり、まずは古い文献などを読んで、彼らのタトゥーの意味などについて調べるようになったんです。

それらの文献には、彼らの文化的信条や、彼ら個人個人の物語が多く綴られていました。やがて私は、そのような古代の技法(スキンスティッチ/縫い針とインクに浸した糸による縫い刺し彫り)でタトゥーを今も入れ続けている、女性グループに話を聞くこともできました。彼女たちは、シベリアとアラスカの間のベーリング海峡にあるセントローレンス島という離島に住んでいたのですが、私はそこを旅して、彼らの生活史やタトゥーの意味を記録し始めることにしたんです。

彼ら、先住民族の老人たちは、先住民族の入れ墨に関する重要な知識が失われつつある地域が世界には他にもたくさんあること、そして、これは決して忘れてはならない世界の文化遺産の一部だということを私に気づかせてくれました。特に、それらを復活させたいと思うかもしれない将来の世代のためにも、私はこうした古代の伝統を記録していくことが非常に重要なことなのだと思うようになったんです。

こうして1990年代半ばから、私はあらゆる居住可能な大陸でタトゥーのリサーチを行うようになりました。これまですでにタトゥーやスカリフィケーションを行う50以上の先住民族の人々と仕事をしてきています。

 

アンナ・アグトゥカーヤク(カヤガハク)はベーリング海のセントローレンス島に住んでいた完全な形の伝統タトゥーの入った最後の女性だった : © Lars Krutak 1997

 

HZ 50以上というのはすごい数字ですね。現代においてそうした先住民族のタトゥー研究をされていることの意義についてはどうお考えですか?

 

Lars 今言ったように私は20年以上前から先住民族のタトゥーについて研究してきました。しかし、そうした古代のタトゥーの伝統を体に持っている老人の最後の世代と共に、それはすぐにでも消えてなくってしまうものかもしれません。今日、これらの世界中の先住民文化を訪ね、可能な限り多くを記録しておくことは極めて重要です。部族たちのタトゥーとは彼らの人間性の印(markers)であり、また私が関わってきたほとんどすべてのコミュニティにおいて、タトゥーはコミュニティとその先祖たちにとって「理想的」な男、また女とはどういうものであるべきかの印でもありました。多くの社会ではタトゥーがなければ死後の世界に行ったあとに祖先に会うことが許されません。実際、これらはとても説得力のある伝統ですよ!

 

HZ 伝統的なトライバルタトゥーが持つ意味については僕もとても興味があります。ところで、今一方では、すでに失われた、あるいは失われつつある先住民族のタトゥーのリバイバルが世界中で起こっていますよね。ラースさんは、そうしたリバイバルの状況についても調査されてきましたが、なぜ今、この時代に、そうしたリバイバルが起こっているとお考えですか?

 

Lars 何世紀にもわたる植民地主義と強制的な文化変容によって、彼らの土地、文化、アイデンティティは破壊され、縮小され、変容してきましたが、今日、タトゥーはそうした部族社会に与えられた傷を癒すのに役立っているのだと思います。たとえば、カナダと米国のほぼすべての先住民族たちには伝統的なタトゥーの文化がありましたが、そうしたタトゥー文化の復興は、先住民族のアイデンティティ、さらには先住民族を分断、支配、一掃しようとしていた植民地支配から、身体を取り戻す手段となっています。

歴史的に、先住民族のタトゥーは、個人を成人へと導き、身体の不調を治療し、社会的地位を反映し、戦争での武勲を記録し、人を超自然的な力へと導くように機能していました。トライバルタトゥーはまた、文化的な誇りや先祖からの遺産としてだけでなく、自らの血統やグループの所属を伝えるものでもあります。私の先住民の友人の一人であるマイケル・ガルバン(Washoe/Mono Lake Paiute /USA)は私との共著『Ancient Ink : The Archaeology of Tattooing』の中でこう述べていました。

「『タトゥーの復興』は間違いなく伝統を取り戻すことであり、過去と自分を結び付ける方法です。それはまた、土着の文化におけるあなたの立場を思い起こさせるものでもあり、そして、その真実を知っているならば、その感覚を世界に向けて発信するための手段ともなるでしょう」

 

『Ancient Ink : The Archaeology of Tattooing』

 

北米やその他の地域の先住民族は、自分たちの文化を顔や体へ再び取り入れることを誇りに思っています。なぜなら、これは私たちが、一人の人間としてまだここにいること、将来もここにい続けることを示すものだからです。

 

メンタワイ族のシャーマンであるアマン・ベレタによるアマン・イパイへのタトゥーイング。インドネシア・シベルト島のブトゥイ村にて : © Lars Krutak 2007

 

HZ なるほど。そうした復興を後押しする上でも、ラースさんの仕事はとても重要なものだと思います。また、ラースさんはそうした調査において、とても独特な方法を取られていますよね。旅先の先住民族たちの共同体において、ラースさん自身もまたそうした伝統的なタトゥーやスカリフィケーションを実際に体験し、レポートするという方法です。そのように実際に体験するということの意味についてどうお考えですか?

 

Lars これらの伝統的な儀式についてを言葉で(!)説明するためにも、実際に経験してみるということがとても役立つというのは事実ですが、私の場合は、自分の体と精神を試し、また痛みの域値をテストするという意味もあります。結局のところ、私たちは、自然の中で変容していく痛みの経験を通して、人間としての自分自身についての新しい知識を得るというだけなのだと思います。

また、私のタトゥーやスカリフィケーションは、その土地やコミュニティ、そこでの思い出、タトゥーイストやスカーマスター、新しい友人や友人グループと私を結びつけてくれるものでもあります。そして、私が書き記してきたような人々と同じように、あなたもまた一生の間、自分のタトゥーや傷跡についての記憶や物語を持ち歩いているんです。なぜなら、それらは、あなたが何者かについての伝記的なステートメントだからです。

 

左からKuljelje Kalivuan、タトゥーアーティストのCudjuy Patjidres(キュジー・パッドレス)、Cangal。彼らはパイワン族のタトゥーリバイバルを行なっているのメンバーである。台湾にて : © Lars Krutak 2016

 

琉球とアイヌの文身は地球上で最も古くからある伝統的なタトゥー

HZ ところで、ラースさんは日本のトライバルタトゥーについても研究なさっているらしいですね。アイヌや琉球などのトライバルタトゥーについてはどうお考えですか?

 

Lars いずれも地球上で最も古くからある伝統的なタトゥーです。アイヌは、タトゥーの文化をおそらく持っていたとされている縄文人の子孫であり、また、遺伝学的な証拠から、琉球人は地球上の他のどの集団よりもアイヌと密接に関係していることが示唆されています。どちらのグループも、医療的な理由や悪霊を撃退するためなどにタトゥーをしていたとされていますが、実はアイヌや琉球人の男性もタトゥーを入れていたということについては知らない人がほとんどですよね。その小さな印を入れていたおかげで、狩りや釣りがより上手にできたのだと言われています。

現在、私は、アイヌと琉球諸島のタトゥーの歴史を含む、東南アジアの諸部族のタトゥーの伝統に焦点を当てた新しい本を執筆しています。私はアイヌ研究の一部を、2007年に出版した 『The Tattooing Arts of Tribal Women』 の中で紹介しました。一方で、私は15年以上にわたって琉球のハジチに関する資料を収集しており、非常に貴重で分かりにくい出版物も含め、日本やドイツに残っていた資料のほとんどを英語に翻訳しています。私はまた、このプロジェクトのために世界中の多くの博物館やアーカイブからフィールドノートを集めており、これらの重要な情報を2020年~21年の間に出版を考えている次の本にまとめるのを待ちきれない思いでいます。

 

『The Tattooing Arts of Tribal Women』

 

HZ それはとても楽しみです! 日本語訳版も出版されることを願ってます。ちなみにですが、ラースさんは「JOMON TRIBE」をご存知ですか? ラースさんとも親交のある日本人タトゥー・アーティストの大島托が、ジャーナリストのケロッピー前田と共に行なっているプロジェクトです。実は僕の身体にもその縄文タトゥーが入っています(笑)。この「JOMON TRIBE」プロジェクトは、実際の歴史資料を持たないトライバルタトゥーのリバイバルですが、こうした取り組みをラースさんはどう感じていますか?

 

Lars 世界で最も偉大で、最も古い芸術文化の、素晴らしい祝祭のひとつだと思います。大島托は大胆な縄文的デザインでブラックワークの本質を捉えました。それはまさに、単色のタトゥーで作ることができるタトゥーアートの無限の可能性を伝えるような、強力なネオ·トライバル作品です。それらはまた、深い意味を感じさせる霊的な方法で視覚を引きつけます。太く黒い線、らせん、ジグザグ、大きな点、そして幾何学文様……、圧倒的です。大島托の創造性の射程は一見すると無限であり、彼のタトゥー作品はほぼ3次元の特質を現しています。私は大島托についての記事を数年前に国際的なタトゥー雑誌に書いたのですが、そこで彼を「日本のブラックワーク・マスター」と名付けました。本当に彼こそがそうなのだと思います!

 

大島托による縄文タトゥー作品(写真:ケロッピー前田)

 

 

タトゥーは、自然、霊、人間の領域を、物理的、形而上的につなぐ

HZ 縄文タトゥーへの、他でもないラースさんからの賛辞を、とても嬉しく思います。今、ラースさんは「霊的(spiritual)」という言葉を使われましたが、ラースさんはかねてより、トライバルタトゥーが持つシャーマニックな要素にも注目してこられましたね。また、そうしたタトゥーが伝統的に彫られていた背景にはアニミズム的な世界観があったのだとも指摘されています。

 

Lars タトゥーを入れていたほとんどすべての先住民族は、数千年もの間、最も古い人間の霊的な信仰であるシャーマニズムを実践していました。シャーマニズムの信仰は神秘と魔術と超自然的な力によって育まれたものですが、狩りや収穫などによって人間が生きていく中で最も尊敬していたもの、すなわち植物、動物、そして時には他の人間を、生存のために殺さなければならなかったという事実を合理化する必要性からも生まれたものでもあります。

シャーマニズムとはアニミズムのことでもあり、動物であれ、植物であれ、人間であれ、すべての生命には、霊的な生命力、すなわちポリネシア全域で「マナ」と呼ばれるものが備わっているという考え方です。部族文化において、ほとんどのタトゥーのモチーフは自然に由来し、部族の刺青師の宇宙論において崇拝されている動物または植物から構成されていました。これら動植物の存在が強力な存在として考えられていたのは、その存在こそが人々の暮らしを支えていたからであり、またそうした動植物は古代においては人間だったかもしれず、人々にまるで魔術のような恩恵をもたらしていたからです。これら古代の図像に基づくタトゥーは、自然、霊、人間の領域の間に、物理的、形而上的なつながりを確立し、こうしたつながりを永続的に尊重しようとするものでした。なぜなら、それらは新しくタトゥーが彫られるたびにに世代を経て伝えられてきたからです。

 

カヤン族の女性であるアド・ンゴの手のタトゥーは、多産を促がし、ジャングルで遭遇する悪霊を追い払う。マレーシア・ボルネオ島のサラワク州にて : © Lars Krutak 2011

 

HZ タトゥーの継承が文化的なアイデンティティをつないできただけではなく、アニミズム的な思考の継承をも手伝ってきたというのは、とても大事な視点ですね。翻って現在、グローバル化による文化の均質化が進む中で、世界ではかつてないほど大きなタトゥーブームが起こっています。こうした現在の状況について、ラースさんはどのようにお考えですか? また、様々なジャンルがある中で、トライバルタトゥーというジャンルはどう位置付けられるのでしょう?

 

Lars 今日では、タトゥーを入れたいというモチベーションが、人類史上最も高くなっています。また、様々なスタイルが混在しており、中でもトライバルタトゥーは一つの大きなジャンル、あるいはスタイルとなっています。

タトゥーの文化はつねに進化し、つねに変化してきました。先住民グループが近隣の部族や村のタトゥーのパターンを借用したという多くの事例も記録することができます。しかし、一方で、私たちは自分の体にトライバルタトゥーを入れる際には、細心の注意を払う必要があると思います。それらのタトゥーの意味と文化的背景について、タトゥースタジオでそれを彫ったり、彫られたりする前に、知っておくべきだと思うのです。

女性のための部族的なパターンを男性にタトゥーするべきですか、それともその逆はどうですか? 家族の紋章の一部である部族の紋章を、それが何を意味するのかを理解していない文化的な部外者にタトゥーするべきですか? おそらくそうではないでしょう。

100年前に活動していた先住民族の芸術家たちにとって、そうしたことは文化的に受け入れられず、慣習法にも反していたため、決してしなかっただろうと思います。しかし、今日では、多くのタトゥーアーティストやそのクライアントは、そうした部族のパターンをほとんど、あるいは全く理解していません。なぜなら、彼らは文化盗用についての教育を受けていないからです。

タトゥーは「芸術」だからいいのかもしれない。しかし、部族文化ではタトゥーは社会的に重要な役割を果たしているため、美的な理由のみでタトゥーを入れることはありませんでした。さらに、大多数の部族文化には、「芸術」という言葉も、「タトゥー・アーティスト」という言葉もありませんでした。

私たちは皆、歴史と文化を学ぶ必要があると思います。特に芸術家としてタトゥーを職業としているなら、トライバルタトゥーを入れるということは、軽々しくはしてはいけないことだからです。タトゥーは一生ものですから、これはあなたの残りの人生のためでもあります。想像してもらえれば分かるように、他人のシンボルや文化を身に纏うことには、多くの文化的な含みがあるんです。だから、“ink” する前に “think” してみてください。

 

伝統的なタトゥーを持つラジャン川の最後の長老マジャン・ジャウ。マレーシア・ボルネオ島のサラワク州にて : © Lars Krutak 2011

 

ビアンカ・グティエレスとアイリーン・マンゴンはフィリピンのタトゥーリバイバルに参加し、伝統的なモチーフを纏った。ElleとZel Festinによるタトゥー/Spiritual Journey Tattoo : © Lars Krutak 2014

 

HZ マーケット視線ではない、各地のトライブに寄り添ってきたラースさんだからこその言葉だと思います。最後に、ラースさんの今後の展開について、教えてください。

 

Lars 現在、私は古代のタトゥーに焦点を当てた新しいテレビシリーズを準備していますが、これはまだ秘密のプロジェクトであり、私は秘密保持契約に署名したので、詳細に語ることができません! しかし、私にもう少し情報が入ったら……あなたに最新の情報をお知らせすることを約束します。

また、2019年11月に、私はナガランドのコニャック族のタトゥーについての新しいドキュメンタリーの撮影を終えました。私が司会を務めたこのプロジェクトは『Patterns of Life』という巨大な4部構成のパイロットシリーズの一部です。ナガランド編ではタトゥーをした戦士や“虎の精霊”を持つ男たちの最後の世代に焦点を当てています。現在、虎の精霊を宿しているのは3人だけで、いずれもコニャック族の一亜族であるチェンナガ族に属しています。これらの男性はみな95歳以上で、この世で最も珍しいタトゥーを持っていると言えるかもしれません! 

 

フンポイ村に暮らす90歳のノッキング・ワンナオは、タトゥーを入れたコニャック族の戦士の最後の一人だ。インド・ナガランドにて : © Lars Krutak 2018

 

Chen Wetnyu村に暮らし、齢90を越える Angh (Chief) Tolei は、現在存命する「虎の精霊」のタトゥーを入れたコニャック族の戦士三人のうちの一人だ。インド・ナガランドにて : © Lars Krutak 2019

 

彼らの背中にあるこれらのタトゥーは、持ち主の霊的な「友人(companion)」に関係しています。彼らが眠るとき、彼らの魂は彼らの体から出て、彼と魂を共有する虎の体に入っていくんです。彼らは虎の「友人」の目を通して見ることができたり、虎の「友人」が道で遭遇するものを聞いたり、匂いを嗅ぐことができます。首狩りがあった時代には、戦士は敵の動きを追跡するために、そうした虎の保護者から助けを得ることができました。このような「友人」を持つ者は、虎のように動くことができるため、滅多に戦闘に敗れることはなかったそうです。しかし、虎の「友人」が負傷したり殺されたりしたら、その人物もまた同じ運命をたどることになったでしょう。

私たちの『Patterns of Life』プロジェクトは2020年にテレビで初公開されます。放映準備が出来次第、アムステルダムで大きなリリースイベントも開催する予定です。

 

HZ 虎の精霊を宿したナガランドの戦士たちですか! それはまたとても興味深い話です。ラース、今日はどうもありがとうございました。

 

Lars どういたしまして!

 

取材・文・翻訳_辻陽介

取材協力_大島托

写真提供_ラース・クルタク

 

 

 

 


 

Lars Krutak ラース・クルタク/1971年、米国ネブラスカ州出身の人類学者。1990年代より世界各地の先住民族の居住地を旅し、その地の伝統的な身体改造の儀式を調査する。ディスカバリーチャンネルで10部構成のドキュメンタリーシリーズ「Tattoo Hunter」を制作し、人気を博す。通称“タトゥー人類学者”。著書にThe Tattooing Arts of Tribal Women』、『Spiritual Skin: Magical Tattoo』、『Kalinga Tattoo: Ancient & Modern Expressions of the Tribal』、共著に『『Ancient Ink : The Archaeology of Tattooing』など。

LARS KRUTAK Tattoo Anthropologist https://www.larskrutak.com/

 


 

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