THE 100 GREATEST TATTOOISTS IN THE WORLD 2019 |#61〜#70|SELECTOR 〔Oshima Taku〕
⽇本のタトゥーイスト10⼈が選ぶ、注目すべき世界のタトゥーイスト100。めくるめく黒色世界の最先端最深部へようこそ!第7回目のセレクターは黒紋様のスペシャリスト大島托さんです。
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ブレのない美しいライン、しなやかなカラー、繊細なドット、適切な大きさや配置。タトゥーの善し悪しというは、絵柄そのものよりもモチーフの魅力を最大限に引き立てるタトゥーイングのテクニックによって大きく左右される。いまや凄腕のタトゥーイストは世界中でひしめきあい、SNSでは最新トレンドが日々更新され目が眩むほどの情報量だ。そこで選りすぐりの日本のタトゥーイストたちに、各自の審美眼に基づいた今リスペクトされるべきタトゥーイストを100人セレクトしてもらった。レジェンドから注目株まで、珠玉の100選をとくとご覧あれ。(監修:川崎美穂)
Selector06
Oshima Taku
⽇本のタトゥーイスト10⼈が選ぶ、注目すべき世界のタトゥーイスト100。めくるめく黒色世界の最先端最深部へようこそ!第7回目のセレクターは黒紋様のスペシャリスト大島托さんです。世界中の伝統的なトライバルタトゥーから現代のブラックワークまでを幅広く手がけ、見識の深さはHAGAZINEでの連載でもご存知の通り。身体改造ジャーナリストのケロッピー前田と共に、古代日本のタトゥーをテーマにした『縄文族 JOMON TRIBE』プロジェクトも絶賛進行中。(川崎)
APOCARIPT http://www.apocaript.com/
Instagram https://www.instagram.com/taku_black_addicts/
Genre トライバルタトゥーおよびブラックワーク
『一滴の黒 Travelling Traibal Tattoo』
61. Jeroen Franken(Netherland)
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ボルネオのジャングル奥地にタトゥーを学びに行き
帰国後、重鎮Hanky Pankyのスタジオでプロとしての基礎を学ぶ
世界を何周もするくらいトライバルの現地に足を運んだ筋金入り
Jeroen Franken / Netherlands
大トライバルタトゥー帝国オランダの今上天皇。それはつまり、ボルネオ、北米、ポリネシア各地域といったトライバルタトゥーの全てのジャンルの作品を、それぞれ世界のどこの誰よりも高いレベルで彫りあげる人物ということでもある。ぶっちゃけると、トライバルならこの人1人だけをチェックしていれば間違い無いと言ってしまってもいいぐらいなのだ(大島托)
[SEVEN SEAS ATELIER]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/jeroenfranken/)
62. Shane Gallagher Coley(Australia)
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ニュージーランド出身、1987年タトゥーをスタート
個々の生命の流れをデザインするエネルギーヒーラー
Shane Gallagher Coley / Australia
現代サモアデザインの最高峰。身体の線や筋肉の形にピタリと合わせる、流麗にしてダイナミックなそのスタイルが大人気。最近10年ぐらいのサモアデザインのトレンドはいつも彼の後からついて来ていると言ってもいい(大島托)
[Ancestor Tattoo]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/shanetattooer/)
63. Turumakina(Australia)
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タ・モコ&マオリ・アートのスペシャリスト
マオリ文化が色濃く残るニュージーランドのファカタネ出身
現在は太陽光発電でプライベートスタジオを運営
Turumakina / Australia
現代マオリタトゥーならこの人。グラデーションワーク主体だった現代マオリデザインのトレンドをソリッドなブラックワークに引き戻したアーティストでもある。非常に多くの伝統的な顔面タトゥーを手がけていることからも分かるとおり、技も人柄もとても信頼されているアーティストだ。そして大の親日家でもある(大島托)
[ARTS ELEMENTAL]
https://www.artselemental.com/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/tu_moko/)
64. Patu Mamatui Tamata(Tahiti/French Polynesia)
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貧しい家庭に育ちホームレスの時期もあったが
タトゥーマシーンを手にし世界中を旅する機会を得るまでに
Patu Mamatui Tamata / Tahiti(French Polynesia)
長らくヨーロッパ勢に押され気味だった現代マルケサスタトゥーの世界で、ひさびさに現地から現れた若手のホープ。彼独特のスクエアで繊細なデザイン処理が、もしかしたら今後の世界の主流となっていくのかもしれない。身体が相撲取り並みに大きいが優れたタヒチアンダンサーでもある(大島托)
[Patu Mamatui Tamata]
https://www.facebook.com/patu.mamatui
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/tattoobypatu/)
65. Elle Mana-Festin(USA)
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フィリピン生まれアメリカ育ち
長年ハンドタッピングとハンドポークを練習した後
2012年からマシーンでの作業を開始
Elle Mana-Festin / USA
豊かなバリエーションを誇ったかつてのフィリピンのトライバルタトゥーの数々を、アメリカのフィリピン系コミュニティーという特殊な場で、それぞれの部族ごとに完璧な形でリバイバルしてみせた驚異のアーティスト。クオリティもスケールも圧倒的。本人はタトゥーイストというよりも、なんだかNPOの代表みたいな感じ(大島托)
[Spiritual Journey Tattoo]
https://www.spiritualjourneytattoo.com/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/spiritualjourneytattoo/)
66. Durga(Germany, Indonesia)
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インドネシア生まれアメリカの美大卒
現在ベルリンに拠点をおく
Durga / Germany, Indonesia
カリマンタン、スラウェシ、メンタワイなどのインドネシアのトライバルタトゥーを極めて洗練されたアレンジで現代のタトゥーシーンに送り出すアーティスト。ド派手なコスチュームのハンドタッパーとして有名だが、彼の本質はぶっちぎりのデザイン能力の高さである(大島托)
[Durga Tattoo]
https://www.facebook.com/durgatattoostudio/
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/durgatattoo/)
67. Gerhard Wiesbeck(Germany)
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先入観や既成概念を捨てて造形を追求したシンプルな美しさ
バウハウスの精神をタトゥーで体現したかのような
トライバルとアートとテクニックを統合した革新的なデザイン
Gerhard Wiesbeck / Germany
現代ブラックワーク界における、アーティストたちが尊敬するアーティストその1。大きな黒をためらいもなく配置する今日の流れ全般の出どころはこの人だ。彼の委細かまわず塗りまくる黒のカタルシスの魅力に取り憑かれて他のジャンルからブラックワークに移ってきたファンは本当にたくさんいることだろう。今のトップアーティストたちのほとんどもそうなのかもしれない(大島托)
[Gerhard Wiesbeck]
https://www.facebook.com/gerhard.wiesbeck
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/gerhardwiesbeck/)
68. Tomas Tomas(UK)
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黒一色のレジェンドJondix率いる
ロンドン『Seven doors Tattoo』所属
Tomas Tomas / UK
現代ブラックワーク界における、アーティストたちが尊敬するアーティストその2。一つの柄で全身を統一、というさまざまな意味合いで実現不可能にも思えたコンセプチュアルな理想をリアルに形にしてしまったマジシャンのような存在(大島托)
[Seven doors Tattoo]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/tomastomas108/)
69. Jun Matsui(Brazil)
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存在そのものが無量の深秘
Short film → JUN MATSUI
Jun Matsui / Brazil
現代ブラックワーク界における、アーティストたちが尊敬するアーティストその3。かつて日本でも活動していた日系ブラジリアンのアーティスト。様々なエスニックデザインからのパターンの抽出と再構成において独自のセンスを振るい、非常にユニークなスタイルを切り拓いた。その影響は現在の世界中の実に多くのアーティストの作品に見ることができる(大島托)
[JM STUDIO]
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/JUNMATSUI/)
70. Cy Wilson(Switzerland)
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パリ生まれ、両親ともに芸術家
21世紀の都市生活者として視覚文化を表現
Cy Wilson / Switzerland
現代ブラックワークの最先端、というか全タトゥー界における辺境の一つか。実験的な作品の数々は、アートの変遷を一周以上も回ってもはや子供の落書きすらも下回ったただの偶発性の産物のようでもある。アートとは、そしてタトゥーとは。たまにはそんな根源的な問いかけに耳を傾けてみるのもいいかもしれない(大島托)
[Cy Wilson]
https://www.facebook.com/cy.adje.wilson
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(画像引⽤元:https://www.instagram.com/wilsonprod.official/)
監修
川崎美穂 かわさき・みほ/1973年、青森県弘前市⽣まれ。1996年より『BURST』の編集に携わり、1999年本邦初のタトゥー専門情報誌『TATTOO BURST』を創刊。雑誌が休刊する2012年までのあいだ編集長を務める。現在はタトゥーのある人でも利用可能な日本の温泉施設などを紹介するウェブサイト『Tattoo Friendly』を運営。タトゥーにまつわることをライフワークとし各メディアに執筆なども行なっている。
Tattoo Friendly : https://tattoo-friendly.jp/ja/
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